南楓苑では「温泉週間」と銘打ち、大浴場に複数の種類の入浴剤を入れて、利用者の皆様に普段とは少し違う入浴時間を楽しんでいただきました。

残念ながら本物の温泉ではありませんが、湯舟に広がる鮮やかな色やふんわり漂う香りの変化に驚かれる方が多く、「まるで本物の温泉に来たみたいですね」と笑顔で話される姿が印象的でした。屋上からの展望も相まって、小旅行に来たような気持ちになれた、というお声もいただきました。

今回の温泉週間をきっかけに、利用者様の間で「日本はなぜ温泉が多いの?」という話題も上がりました。

日本に温泉が多いのには、実ははっきりとした理由があります。

①日本列島が世界有数の火山帯に位置しているため

日本は「環太平洋火山帯」に属し、地中深くに火山活動が活発な地域が多く存在します。

そのため地下水が温められ、全国各地に温泉が湧き出しやすい地形になっています。

②地層が複雑で、さまざまな泉質の温泉が生まれやすい

火山性の温泉だけでなく、海水の影響を受けた塩湯、鉄分を含む湯、炭酸が豊富な湯など、多様な温泉が各地で楽しめるのも日本の特徴です。

こうした自然の恵みにより、日本には約3,000以上の温泉地があり、温泉文化が古くから生活に根付いてきました。

今回使用した入浴剤も、本物の温泉に近い「泉質」を再現しているものが多く、温泉が持つとされるさまざまな効能を疑似的に楽しんでいただけるよう工夫しています。

  • 温熱作用

お湯で体が温まることで、血行促進・筋肉の緊張緩和・疲労回復などにつながります。

  • 浮力作用

お湯に入ると体重が10分の1ほどに軽く感じられ、関節や筋肉への負担が減り、動きやすくなります。

  • 水圧作用

ゆっくり肩まで浸かることで、下肢に溜まりやすい血液やリンパ液が押し上げられ、むくみの軽減が期待されます。

  • 香りによるリラックス効果

今回選んだ入浴剤の香りには、ラベンダー・ヒノキ・柑橘など、気分が安らぐアロマに近い成分が含まれており、入浴中に自然と深呼吸が増える方もいらっしゃいました。

このように、温泉(および温泉成分を含む入浴剤)には、心身の両面に作用する多くのメリットがあります。

温泉週間を通して、利用者様からは「香りだけで気分が変わるね」「いつもより体が軽く感じる」「旅行に行ったみたいで楽しい」といった温かいお声をたくさん頂きました。

本物の温泉に行くことは難しくても、少しの工夫で“温泉気分”を味わっていただけることを改めて感じる良い機会となりました。

今後も季節ごとのイベントや趣向をこらした入浴企画など、利用者様に楽しんでいただける取り組みを続けてまいります。